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屍の美少年

このお話のテーマは「necrophilia」です。「necrophilia」とは……
「屍を姦する」に語源をもつ。広義には死体に欲情する性的嗜好をも指し、死体性愛、死体愛好、ネクロフィリア(necrophiliaとも呼ばれる。性的倒錯のひとつでもある。 
―― 屍姦 - Wikipedia より
年齢制限するほど際どい内容ではない……と思いますが、念のため、ご了承くださいますよう。

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ある日屍の美少年を拾った。

 一見すると、年齢は12~14歳程度だと推測される。森林浴を目的として散歩していたA森林にて発見した。死後硬直や腐敗臭があまりしていないところを見ると、死んでからあまり時間は経っていないのだろう。
 彼を観察していると段々、触れたいという欲求が溢れ出す。少年に触れてみた。冷たく、少し硬い。まるで眠っているようなのに、触れても少年はぴくりともしなかった。脈拍の無い心臓。やはり、彼は死んでいるのだ。そう実感する。しかしそう分かっても、何故だか少年に触れてみたいという欲求はますます高まった。どうしてこんなにも触れたくなるのか。こんな感情は初めてで、自分自身でも戸惑いを感じる。
 傷も穢れも無い綺麗な身体だった。彼は白いワイシャツと白いジーンズを身に付けていて、裸足である。肌も白い。屍なのだから肌が白いのは当然なのかもしれないが、これ程の白さは、生前から色白であったのだろうと予想させる。まるで日光を避けて暮らしていたかのようだ。
 少しウェービーがかったブロンドの髪は美しく、サラサラとしている。手に取ると、指と指の隙間から零れ落ちた。
 閉じた瞼をそっと開けば、瞳孔の拡大した、ブルーの澄んだ瞳がある。そして、きゅっと閉じられた、生気の無い真っ白な唇。
 何処を見ても、ルネサンス頃の絵画や彫刻のように、少年は美しかった。火葬し灰と化するのは勿体ない。とはいえこのまま空気に晒し続けていれば、彼の腐敗は進行する。肌はくすみ、蛆虫(うじむし)が湧く。想像するだけでも、耐えられない。
 自分は決めた。保たなければ……彼のこの、尊い身体を。
(完)(2016年11月25日)

Version

雰囲気重視デザインバージョン(Googleサイト)スマホだとすこし読みにくいかもしれません。異なるのはデザインのみで、内容は同じです。

Postscript

このアカウントで創作物を掲載しはじめたころに書いたものです。
天文学」さま より、冒頭の「ある日屍の美少年を拾った」という言葉を拝借しました(いまはサイトからは削除されているようです)。
画像は「Unsplash」よりお借りしています。
ありがとうございます。